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黒い聖域

安岡久遠の小説「黒い聖域」


第一巻:本妙寺の変

第一巻:本妙寺の変
「要約」
森岡洋介、35歳。ITベンチャー企業『ウイニット』の起業に成功した、新進気鋭の経営者で資産家である。彼は辛い生い立ちを持ち、心に深い傷を負って生きて来た。その傷を癒し、再び生きる希望と活力を与えたのは、大学の四年間書生修行をした神村僧である。神村は、我が国最大級の仏教宗派『天真宗』の高僧で、京都大本山・本妙寺の執事長を務め、五十代にして、次期貫主の座に手の届くところにいる人物であった。ところが、本妙寺の現貫主が後継指名のないまま急逝してしまったため、後継者問題は、一転して泥沼の様相を呈し始めた。宗教の世界であればこそ、魑魅魍魎の暗闘が展開されることになったのである。森岡は大恩ある神村のため、智力を振り絞り、その財力を惜しみなく投じて謀を巡らし、神村擁立へ向け邁進する。しかし森岡の奮闘も、事態はしだいに混迷の色を深め、ついにはその矛先が森岡の身に……!続編『第二巻 裏切りの影』に続く。

第二巻:裏切りの影

第二巻:裏切りの影
「要約」
巨大仏教宗派『天真宗』の覇権を巡る争いは、ますます混迷の度を深めていた。ITベンチャー企業『ウイニット』社長・森岡洋介は、一度は凶刃に倒れたもの死地から生還し、次なる手段を講じていた。しかし、思いもよらない裏切りが森岡を襲う。裏切り者は誰か? 過去と現在が交錯し、さまざまな人々の思惑が駆け巡る。森岡は、どう決断するのか? 新たな手は何か? そして、森岡の宿願の第一歩が叶う日が来る……。続編『第三巻 修羅の道』近日公開。
 

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2014/06/16

サッカーブラジルW杯・コートジボワール戦・戦評

Tweet ThisSend to Facebook | by:安岡久遠

『サッカーブラジルW杯・コートジボワール戦・戦評』

 

「現日本代表最低試合」・・・・・昨日の試合を一言で言い現わすとすればこうなる。

むろん、敗れたからではない。たしかに、失点の仕方は酷い。1度ならまだしも2度同じパターンで失点した。しかも、2分間に、である。こんな失点の仕方をするのは、32代表チームのなかでは、日本だけかもしれない。

 

しかし、これは事前にわかっていたことであり、日本代表の欠点でありながら、修正してこなかった部分であり(これについては、日本人の特性であり、永久に修正できないかもしれない)、それよりも攻撃に重点を置いてきたはずである。

 

試合前にテレビ番組で、日本戦のスコアを数多く予想していたが、そのスコアを見れば、

解説者であれば「無能」、芸能人であれば「にわかファン」であると容易に分かった。

「1-0」での日本勝利などありえないことなのだ。もっと言えば「2-1」でも半分は疑わしい。

 

日本の守備の脆さとコートジボワールの攻撃力から言えば、2失点は覚悟のはずである。

つまり、日本は3点を取らなければ勝てなかったということだ。現に、昨年秋の欧州遠征

以来、

 

オランダ:2-2、

ベルギー:3-2、

ニュージーランド:4-2、

キプロス:1-0、

コスタリカ:3-1、

ザンビア:4-3

というスコアを残して来ているのだ。

 

キプロス戦は合宿後のハードトレーニングでコンディションが最悪の状況下なので例外ということができる。

また、格下のニュージーランドに2失点はいただけないが、コートジボワールと同等か少し力が上のチームには2失点以上喫しているのである。

つまり日本が勝つとすれば3-2以上というスコアしかないのだ。その点では3-2と予想した都並氏だけがまともだった。

 

私が最低と言ったのは、これまでのチームカラーだった「攻撃的スタイル」を貫かなかったからである。このスタイルを貫き通し、たとえば3-5で負けたのであれば、いや、0-2で敗れていたとしても文句は言わなかった。期待が大きかっただけに失望も大きく、頭の整理と落胆からの回復に丸1日も掛かってしまったほどだ。

 

日本は前回の南ア大会で、阿部を起用し守備的に1枚増やして戦い、ベスト16という結果を残した。釜本氏のように今回も守備的に戦うべきだと主張する者もいるが、私はそれに賛同しないし、ザッケローニ監督も攻撃的に戦うと言っていたはずである。なぜなら、守備的スタイルでは、未来永劫日本はW杯で優勝できないからである。なるほど、かつてイタリアは「カテナチオ」と呼ばれた強固な守りで4度優勝したが、身体能力で劣る日本人では守備に徹しても、90間0失点に抑えるのは不可能といえる。

 

そうであれば「攻撃は最大の防御」とばかり、攻撃に磨きを掛けることにより、守備機会を減らし、できるだけ失点を抑え、失点以上の得点をする。これが日本の目指すサッカーだったはずである。ザッケローニ監督は、記者会見で残る1人をボランチとFWで迷ったが、FWにしたと言い、細貝を外した。これは宣言に等しかったはずである。

 

今大会は、それがどこまで通用するか、日本代表の試金石だったのである。この方向が正しいのか正しくないのか見極める大会なのである。中田英寿氏が言っていた「日本のサッカースタイルの確立」の第一歩のはずだった。ところが、蓋を開けてみれば、なんと引いて守っているではないか。

 

もしや先制点を取ったことが仇になったのか?

これまでの数試合、とくに強豪チームには日本は悉く先制点を取られてきた。だが、持ち前の攻撃スタイルで逆転または同点としてきた。その感覚が身に浸み付いてしまっていたというのか。それが思わぬ先制点で調子が狂った、これを守ろうとする気が湧いてしまったというだろうかのか。

 

いくらなんでもそれはない。後半の16分であれば考えられなくはないが、前半の16分の先制点である。では、どうして日本は守備的になったのか。守備的とはいわないまでも、これまでのように前線からプレスを掛け、数的有利を作ってボールを奪うということをしなかったのか。

 

もしかしたらできなかったのかもしれない。理由は2つ考えられる。

一つは、コートジボワールのパス回しが思っていたよりも速かったこと。当然のことながら、たとえばブラジルやスペインのように技術が高ければ、ボールを奪いに行っても簡単に回されてしまう。そうなれば日本の囲い込みも無駄に疲れるだけとなる。

 

だが、コートジボワールはそこまで技術は高くない。となれば、もう一つの理由に行き付く。それは『雨』である。私は試合前の天候が雨と聞いて嫌な予感がしていた。少々の雨であればパスサッカーの日本には有利となる。芝がスリッピーな状態になり、ボールが奔るからである。

 

しかしそれ以上、たとえば水が浮く状態になれば、逆にボールスピードが減速するため、日本には不利になる。今一つ、グランドの状態が悪くなれば体力を消耗する。とくに脹脛の消耗は否めなくなる。こうなると、運動量を要するサッカーの日本は不利となる。加えて、雨による想像以上の『湿気』も敵だったかもしれない。

 

もしかしたら、日本選手は、いつものように走れば、終盤になって足が止まる、と懸念したのかもしれない。そこで前半戦からセーブした。こう考えると、納得できないこともないが、しかしこれは間違っている。日本の足は止まらないかもしれないが、コートジボワールの足も止まらないのだ。

 

これまで、相手チームの足が終盤に止まっていたのは、それまで日本がパス回しで相手を走らせていたからである。守備の走力は攻撃のそれより疲れるのは道理である。日本はそれを忘れていたのではないか。雨と湿気に、体力消耗を懸念していたところに、思わぬ時間に先制点を挙げてしまった。そこでついつい体力温存、つまり前線からのプレスを緩めてしまった、ということなのかもしれない。

 

いずれにしても、日本は窮地に立たされた。残る2戦の勝利が義務付けられただけでなく、

ギリシャ戦は大量得失点差での勝利が必要となった。この先をシミュレーションすれば、

日本がギリシャに勝利という前提で、コロンビアがコートジボワールと引き分ければ、日本-コロンビアが決戦となり、日本は勝てば無条件で決勝Tに進むことになる。引き分ければコートジボワールがギリシャに負けたときのみ、得失点差となるが、期待は薄い。

 

コロンビアがコートジボワールに負けていれば、日本がコロンビアに勝ては文句ないが、引き分ければ得失点差ということになり、ギリシャに3-0で勝利しているコロンビアが有利である。

 

コロンビアがコートジボワールに勝てば、もっと複雑になる。コートジボワールは最後のギリシャに勝つと思わなければなならいので、日本がコロンビアに勝ったとしても、日本、コロンビア、コートジボワールが2勝1敗の勝ち点6で並ぶことになり、得失点差または総得点差ということになる。

 

こうなると、日本がコロンビアに大量得失点差で勝てるはずもなく、コートジボワールがコロンビアに大量得失点差で敗れることも期待しない方が良いだろう。となると、結局対ギリシャ戦のスコアが鍵となるのである。コロンビアはすでに3-0で勝っている。コートジボワールは敗退が決まった後のギリシャと戦うことになり、有利である。

 

したがって日本はただギリシャに勝てば良いというわけにはいかなくなった。最低でもコロンビアと同じ3-0か、失点を計算すれば4-1で勝たなければならないということになるのだ。むろん、ギリシャが意地を見せてコートジボワールに引き分け以上も有り得るが、期待薄と見ければならない。まずは自力でギリシャに大勝することしか道は開けないのである。

 

残り2戦2勝、しかもどちらかに(ギリシャだが)大勝という結果を義務付けられた日本代表。困難なミッションを与えられたわけだが、ここからの奇跡の奮起を期待するしかないが、ともかく次戦は攻撃的スタイルを貫いて欲しい。もし、それで通用しなかったのであれば、また方向転換し、日本人に合うサッカースタイルを模索すれば良いのだ。

 

挑戦すらしなかった昨日のような試合は、勘弁願いたい。もし次戦も守備的な戦い方をすれば結果が出たとしても、4年前と同じ立ち位置ということになる。そうであれば、この4年間は全くとは言わないまでも、その大部分が無駄となる。次大会へ向けての収穫が無いまま大会を終えるというのか。追い込まれた日本代表は強いと信じたい。超攻撃的なサッカーを期待する。4-1で勝ってくれ!

 

 


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